「プロンテストの『発音力』は、学習者の発音や、
英語そのものの上達を促進するのでしょうか。」
というテーマでの論文が発表されました。
2009年10月にカナダのバンクーバーで行われた
権威のある学会、「E-Learn 2009」です。
発表者:青山学院大学教授 小張敬之 博士
===論文発表の内容を抜粋===
実験 1 韻律の測定
1.発話時間測定
文章を話す時間が短縮されていることがわかります。→習熟していることを示します。
2.母音の長さ/文全体の長さ
全体の中で、母音の占める時間の長さが短くなり、カタカナ英語が、改善されていることがわかります。
3.子音のパワー測定/母音のパワー測定
子音のパワーが強くなっており、発音が英語らしくなっている表れでもあります。
■CASEC(聴き取りテスト)のスコアの変化
プロンテストを使用していた2008年4月から7月までで、51ポイント上がりました。
■実験 1 まとめ(発音・韻律の上達=通じやすさ)
CASEC の平均点が532 から583まで上がりました。
しかも!
●発話が短縮され、すなわち、彼らのスピーチが早く、また改善されています。
●文全体の中の母音の発声時間が短縮され、子音の発声時間は文全体の長さに比べて長くなっており、
このことから、英語としての韻律がネイティブに、より近くなったことがわかります。
●子音の発音が、母音に比べて強くなっており、英語らしいクリアな発音になっていることがわかります。
■実験 2 『リスニング力』向上の証明(2009年4月~7月)
プロンテストを使って練習する以外の条件を同じにした
二つのグループを比較しました。
◆プロンテストを使用したグループ
・Digital Storytelling
・プレゼンテーション練習
・携帯を使った教材 (単語練習)
・プロンテスト「発音力」(毎回30分ずつ10レッスン完了)
◆プロンテストを使用しないグループ
・Digital Storytelling
・プレゼンテーション練習
・携帯を使った教材(単語練習)
・プレゼンテーションの練習時間を追加しました。
■「発音力」は明らかにセクション3と4に効果があります。
CASEC testの流れ
■Section 1, CASEC 語彙
プレゼンテーションの練習時間が長かったグループのほうが、単語の語彙力はついています。
■Section 2, CASEC 会話の表現力
プレゼンテーションの練習時間が長かったグループのほうが、会話の表現力はついています。
■Section 3, CASEC リスニングテスト
プロンテストを使用したグループは、5時間という短期間で、「リスニングの力」がついています。
■Section 4, CASEC ディクテーション
プロンテストを使用したグループのほうが、
合計5時間という短時間で「ディクテーション力」がついています。
■CASEC 全体としての上達 (2009.4-7)
プロンテストを使用したグループの方が使い始めてすぐ、英語全体としての上達が現れてきました。
■上達、改善した割合(左がプロンテスト)
■実験 2 『リスニング力』向上の証明についてのまとめ
●プロンテストを使用したグループでは、使用しなかったグループにくらべて、 CASECテストの試験の結果、
リスニングテスト および、ディクテーションにおいて、 プロンテストの効果を発揮しました。
●CASECテストにおいて、プロンテストを使用したグループのうち92% の学生に効果が見られたが、一方、
プロンテストを使用していないグループの点数の上昇は70%にとどまっていました。
●ただし、双方とも、他の同じ方法を使って英語の学習をしている中での実験です。
特に、プロンテストを使用したグループには、 リスニングとディクテーションの力 がついていることが明らかです。