自宅で待機中のかたもいらっしゃることでしょう。
これまでとは違う時間の流れの中で、
つい、自分を見失いそうになってしまうこともあります。
そんなときに、少し元気がでるご褒美を意識的に持つことを
お勧めします。
今回は、いわゆるNHKの朝ドラのお話です。
「エール」が無事に終了し、新しい「おちょやん」が始まりました。
ほかのブログのページにも書きましたが、
わたしは、テレビはほとんど録画をしてから見ます。
ニュースも、通勤電車の中でネット配信でほとんど見ているので、
録画したニュースを見ながら、詳細の部分だけを掘り起こします。
一週間分の番組表を見ながら、録画スケジュールを決めのも
週末の楽しみの一つです。
というわけで、朝ドラを見るのは「夜」になります。
これは、1月11日放送の中のこと。
若村麻由美さん演じる「山村千鳥」の芝居稽古の1シーンです。
「駄目っ!」と怒鳴る座長。
「どこがいけないのでしょうか?」と尋ねる弟子。
「駄目なものは駄目なのよっ!!」と再び怒鳴る座長。
ここでちょっと私はニンマリしてしまいました。
教える人は、ダメ出しをする場合には「理由」を教えなければ
ダメだと言わない、というのが昨今のあるべき教え方であると
考えます。
したがって、プロンテストシリーズも「発音が間違っている」と
指摘するときには「理由も教える」ことをウリにして開発。
そうなのです。
数十年前は、「芸(技)は見て盗め」、と言われるほどだったため、
どこがどうだから、どのように直しなさいという先生たちは
学校でも少なかったかもしれません。
だから、根性のある人しか残らなかったわけですし、
残った人はみな、プロになれるぐらいの実力がついたはずですね。
今は確かに違います。
たとえば英語にしても、プロになると決めた人だけが練習を続けました。
だから、間違っている理由は自分で考え続けることが必要でした。
しかし、今、英語は「英語を理解する」ことが目的でもなければ
「英語をしゃべる」ことが最終目的でもありません。
なぜ英語を練習するかというと、目的は「英語を使いこなす」ことであり、
英語で考えて、英語をコミュニケーションの武器として使えるように
なることなのです。
ドラマの続きに戻りますね。
山村千鳥座長は、主人公の千代ちゃん(杉咲花さん)が
稽古を見て覚えたセリフを拭き掃除しながら口ずさんでいるのを聞き、
「ヘタな芝居を聞いていたら、こっちがヘタになる!」と
叫んでやめさせました。
ここでも再び私はニンマリしました。
私が学生時代に、ある友人から聞いた話ですが、
「君たちのヘタな英文を読んでいたら、こちらの英語のセンスが
悪くなるから、レポートは書かせたくない」と発言した教授がいたとか。
いやいや、なるほどと思いました。
私がそう感じた背景は、小学校、中学校に派遣されてこられている
いろいろな国からの「ネイティヴ」と言われているALTの先生たちの
ことがあるからです。
お気に障る方がいらしたら、ごめんなさい。
ALTの先生が「ヘタ」というわけではないのです。
ただ、「外国人で英語をしゃべる人」=ネイティブだと勘違いされて
いる場合もあるので、その場合は、かなり強めの自国のクセが
英語の発音に混ざってしまうのです。
英語母国語話者ではないのに、ネイティヴと言われている先生たちの
本当の母国語を聞くと、その先生方が英語母国語話者かどうか、
すぐにわかりますよ。
で、問題なのは日本の子供たちが、どんな英語の発音でも、
「英語の正しい発音」として学んでしまうことにあります。
ちなみに、私自身の最初の外国人の先生は、スペイン人で、
read という単語の[r]の部分を[rrri:d]と巻き舌で発音する方でしたので、
私も最初はそれが正しいのだと思い込んで真似をしていました。
したがって、
インプットする英語は、本物の英語母国語話者か、または
学習者と同じ母国語を話す先生で、発音をきちんと学んだ先生が
理想であることを付け加えておきましょう。
学んだ英語をアウトプットするためには、もちろん、いろいろな
国からのALTの先生たちも有効ですので、それぞれの先生方を
うまく使い分けて教えていただくことができればよいと思います。
ところで、ドラマの中の座長を演じている、美しい若村さんから
発せられるとは思えないような「ドス」の効いた声を最初に聞いた時には、
俳優として、どれだけ発声を練習されたのだろうと思った次第です。
どうか、声帯を痛めてしまわれませんように、とひそかに願っています。
皆さんの周りには、英語の学習ツールがたくさんあります。
どのツールもよいところがあります。
ただ、最終的に必要なのは、皆さんがどのようになりたいのか、
具体的な姿をイメージすることです。
なりたい自分になるには、英語に限らず、それが何であっても
ある程度の覚悟と、努力が必要ですね。
英語は、ある意味、筋トレと同じなのです。