「英語を正しく発音できない」「読めない単語が多くて音読できない」などと悩んでいませんか?英語の発音がなかなか上達しないのは、英語の「発音ルール」を知らないからかもしれません。
英語には、発音記号やフォニックス、音声変化など、いくつものルールが存在しており、これらのルールを覚えることで、効果的により少ない労力で英語の発音を習得できるようになります。今回は、英語の基本的な発音ルールと、効果的な発音練習方法について紹介します。
英語の発音にはルールがある?
英語の発音には、さまざまなルールが存在します。中でも代表的なものが次の5つです。「ルールを知らないと発音できない!」ということはないものの、これらのルールを押さえておくと、より効果的に発音を習得することができます。
- 発音記号
- フォニックス
- 音声変化
- アクセント
- イントネーション
この記事では、これら5つにおける代表的なルールに絞って紹介していきます。「英語の発音ルールにはどんなものがあるの?」と疑問に思っている方はぜひ参考にしてください。
英語の発音ルールを学ぶメリット
まず、英語の発音ルールを学ぶことで得られるメリットについて解説します。
効果的に「通じる発音」を習得できる
発音のルールを知り理解することで、より効果的に英語の正しい発音を習得できるようになります。
英語の発音ルールを知らなくても、英語の「音」やリンキングを一つずつ地道に覚えることは可能です。しかし、これでは効率が悪いですし、覚えるのにかなりの時間と労力を要してしまいます。
そこで、発音に関するルールや規則を学ぶことで、「この単語はこのように発音する」「このルールがあるから、2つの音がつながって発音される」など、知らない英単語でも正しい発音を推測できるようになります。発音のルールを学ぶことは、一見遠回りのように見えるかもしれませんが、実際には英語の発音学習をよりラクにかつ効果的にしてくれます。
英語を聞き取れるようになる
英語の発音ルールを学ぶことで、英語の発音が良くなるだけでなく英語のリスニング力も飛躍的に上達します。というのも、発音ルールを学ぶと身をもって英語の音がどのように発音されているのかを理解することができるので、これまで聞き取れなかった音もしっかり聞き取れるようになります。
当然ながら、自分が正しく発音できない音を聞き取ることはできません。発音を矯正したい人はもちろん、英語のリスニング力や英語力を総合的にアップしたい人も、ぜひこれを機会に発音ルールを学習してみましょう。
知らない単語も正しく発音できる
発音のルールを学ぶと、発音が良くなったり英語を聞きやすくなったりするのに加えて、知らない単語の発音を推測できるようになります。「知らない単語=発音できない単語」と思うかもしれませんが、発音記号やフォニックス、アクセントなどのルールを知っていれば、正しく発音することが可能です。
特に、発音記号に関しては例外がないので、確実に正しく発音することができます。仕事や学校などで専門的な英文を読むことが多い方や、人前で英文を読む機会が多い方は、「知らない単語でも正しく発音できる力」を身につけておいて損はないでしょう。
英語の発音ルール①:発音記号
英語の発音ルールの一つ目は、「発音記号」です。発音記号とは、英語の発音をわかりやすく表記した記号のことです。発音記号のルールを覚えていれば、専門用語や難しい英単語などでも、辞書に記載されている発音単語をチェックすれば、確実に正しく発音することができます。
英語の発音にはさまざまなルールがありますが、中でも発音記号はその土台となっている重要なルールの一つです。 日本語には、「あ」「い」「う」「え」「お」の5つの母音が存在します。しかし、英語の母音を見てみると、さらにそれぞれ細かく分かれています。母音台形上に記載されている/a/や/i/といった記号が、英語の母音の発音記号です。
※上記の画像はプロンテストにて作成・研究を行い特許を取得しております。転載はお断りいたします。
また、子音に関しても、英語には日本語にはない音が数多く存在しているため、それぞれ発音記号と音の出し方のロジックを学ぶことが重要です。以下の一覧表では、発音を作る方法(縦列)と発音を作る場所(横列)をそれぞれまとめています。
Way of articulation | Bilabial 両唇音 | Labio- Dental唇葉音 | Inter- Dental歯音 | Alveolar 歯茎音 | Retro- Flex そり舌音 | Palatal口蓋音 | Velar軟口蓋音 | Uvular口蓋垂 | Pharyngeal 咽頭音 | Glottal声帯音 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Plosive vl vd 破裂音 | p b | t d | k g | |||||||
Affricative vl vd 破擦音 | ts dz | tʃ dʒ | ||||||||
Fricative vl vd 摩擦音 | f v | ɵ ð | s z | ʃ ʒ | h | |||||
Nasal vl vd 鼻音 | m | n | ŋ | |||||||
Lateral vl vd 側音 | l | |||||||||
Approximant] vl vd 接近音 | r | j |
※上の表は弊社にて作成したものであり、転載はお断りいたします。
英語の母音・子音の発音記号のルールについては、以下の記事で詳しく解説しています。「発音記号についてもっと詳しく知りたい!」という方は、ぜひチェックしてみてください。
英語の発音ルール②:フォニックス
英語の発音ルールの2つ目は、「フォニックス」です。フォニックスとは、英語の発音とスペル(文字)を紐付けるルールのことです。英語の発音とスペルの間には、いくつものルールが存在しており、それらを学ぶことで、「文字を頼りに正しく発音できるようになる」、そして「発音を頼りに正しく文字を綴れるようになる」という効果があります。
フォニックスは、もともと英語を母国語とする子供達が英語の読み書きを上達するために取り入れられている学習法です。フォニックスのルールは、英語の基礎に当たることから、大人の4技能習得においても大いに役立つとされています。
ここでは、代表的なフォニックスのルールをいくつか紹介します。フォニックスには、ここで紹介している以外にもたくさんのルールがあるので、興味がある方はぜひこれを機にフォニックスを学習してみてくださいね。
Short Vowel と Long Vowel
英語の母音には、それぞれ「Short Vowel(短い母音)」と「Long Vowel(長い母音)」があるというルールです。
Short Vowel | Long Vowel | |
a | ア | エイ |
i | イ | アイ |
u | ウ | ユー |
e | エ | イー |
o | オ | オウ |
たとえば、以下のサイレント“e”のルールでは、最後の“e”の前に来る母音は決まって「Long Vowel」、つまりアルファベット読みになります。
サイレント“e”
サイレント“e”は、英単語がアルファベットの“e”で終わっている場合、
- 終わりの“e”は発音しない
- その直前に来る母音は、「Long Vowel」になる
というフォニックスのルールです。サイレント“e”のルールを知っていれば、「make」を
“メイク(/méik/)”、「same」を“セイム(/séɪm/)”とそれぞれ正しく発音することができます。
英語の発音ルール③:音声変化
英語の発音ルールの3つ目は、「音声変化」です。ネイティブが話す英語を聞いていて、「音がつながったり変化したりしているな」と感じたことはありませんか?これこそが、音声変化というもので、英語の発音は音声変化のルールのもと、2つの音がつながったり、つながって別の音に変化したりして発音されています。
ここでは、音声変化のルールを4つそれぞれ紹介していきます。
リンキング(連結)
英語では、「子音」で終わる単語と「母音」で始まる単語が続くと、子音と母音がつながって「1つの音」として発音されます。このことをリンキング(連結)といいます。
(例)
- these are:「ディース アー」→「ディースァー」
- shall I?:「シャル アイ?」→「シャライ?」
注意点として、最初の英単語が母音で終わっていても、発音記号が子音で終わっていればリンキングは起こります。たとえば、“take it”は一見「子音」と「母音」がつながらないように見えますが、発音記号は/téɪk/と子音で終わっているので「テイキット」とリンキングが起こります。
リダクション(脱落)
英語では、特定の音が弱く発音されたり省略されたりすることがあります。これは、リダクション(脱落)のルールによるものです。
英単語が破裂音/t/、/p/、/k/、/d/、/b/、/g/で終わっている場合、これらの音は弱く発音されます。
(例)
- going:「ゴーイング」→「ゴーインッ」
- night:「ナイト」→「ナイッ」
また、これらの破裂音で終わる単語の後に、子音で始まる英単語が続く場合、破裂音はほとんど発音されません。
(例)
- going to:「ゴーイング トゥー」→「ゴーイントゥー」
- night shift:「ナイト シフト」→「ナイッシフト」
アシミレーション(同化)
2つの異なる音が重なり、新たな音として発音される音声変化のことをアシミレーション(同化)といいます。/t/、/d/、/s/、/z/で終わる単語に、/y/で始まる単語が続くと音が変化します。
(例)
- /t/+/y/=「tʃ」(meet you:「ミーチュー」)
- /d/+/y/=「dʒ」(need you:「ニーデュー」)
- /s/+/y/=「ʃ」(miss you:「ミシュー」)
英語の発音ルール④:アクセント
英語の発音ルールの4つ目は、「アクセント」です。アクセントとは、特定の音節を他の音節よりも強く発音して、強弱を付けることです。
英単語は音節(母音を軸とした音のまとまり単位)ごとに分けることができ、そのうちの1〜2つにアクセントが置かれます。日本語は英語と比較して平坦な言語なのでイメージが湧きにくいかもしれませんが、英語を正しく発音するにはアクセントの知識が不可欠です。
アクセントは英語辞書で確認!
まず、予備知識として、英単語のアクセントは辞書で確認することができます。たとえば、“pattern”という英単語を辞書で引くと、「/pˈæṭɚn(米国英語)/」のように発音記号が記載されています。
この発音記号に付いている「ˈ」は、アクセントが置かれる位置を示しています。そのため、“pattern”は、「パターン」ではなく「パターン」と“パ”を強く発音するということがわかります。
アクセント位置のルール・法則
このように、英語の発音に欠かせないアクセントですが、アクセントは一つずつ覚えなくてもルールを知っていれば、ほぼ正しく発音できるようになります。ここでは、覚えておいて損はないアクセントの基本ルールを紹介します。
これらは、アクセントのルールの一例で中には例外も存在します。しかし、基礎的なルールだけでも頭に入っているといないとでは、アクセントを付ける音節で迷ったとき大きな差が出るはずです。
音節が3つ以下:最初にアクセント
英単語が3つまでの音節で成り立っているときは、基本的に最初の音節にアクセントが来ます。
(例)
- take /téɪk/
- phone /fóʊn/
- restaurant /réstərənt/
音節が4つ以上:3つ目にアクセント
音節が4つ以上になると、基本的に3つ目の音節にアクセントが来ます。ただし、接頭辞(プレフィックス)や接尾辞(サフィックス)がついている英単語については、異なるルールが適用されます。
プレフィックスがついている場合、基本的にその直後にアクセントが置かれます。
(例)
- repeat /rɪpíːt/
- important /ɪmpˈɔɚtnt/
反対に、サフィックスがついている場合は、その直前にアクセントが来ることがほとんどです。
(例)
- capable /kéɪpəb/
- quality /kwάləṭi/
英語の発音ルール⑤:イントネーション
英語の発音ルールの5つ目は、イントネーションです。イントネーションとは、声を上げたり下げたりして発音すること、要するに「抑揚」のことです。たとえば、日本語でも「行きたい⤵」と言えば平叙文、「行きたい⤴」と言えば疑問文といったように、意味することが大きく変わってきますよね。
英語でも、伝えたい内容に合わせて正しいイントネーションを使うことが欠かせません。ここでは、英語のイントネーションのルールを解説していきます。
下がり型
まず、基本となるのが「下がり型」のイントネーションです。平叙文や感嘆文、命令文では、文末を下げて発音します。
平叙文
物事をありのまま述べる文では、肯定・否定を問わず、文末を下げて発音します。文末を上げて発音すると、疑問文として捉えられてしまうことがあるので注意しましょう。
(例)
- I’m Japanese.⤵(私は日本人です。)
- He said he was busy.⤵(彼は忙しかったと言いました。)
命令文
命令文の場合も、文末を下げて発音します。
(例)
- Don’t touch my laptop.⤵(私のパソコンに触らないで。)
- Stay there!.⤵(そこに居て!)
- Look at me.⤵(私を見て。)
疑問詞で始まる疑問文
「疑問文=文末を上げる」というイメージがありますが、5W1Hで始まる疑問文は、文末を下げて発音します。ただし、“Do you?”や“Can you?”など、答えが“Yes”か“No”
の2択の疑問文に関しては、文末を上げて発音するのでご注意を。
(例)
- Where do you live?⤵(どこに住んでいますか?)
- How did you get here?⤵(ここにどうやって来ましたか?)
上がり型
続いて、文末を上げて発音するケースを紹介します。“Yes”または“No”で答える疑問文や聞き返しの文章は、文末を上げて発音すると覚えておきましょう。
“Yes”か“No”で答える疑問文
上でお伝えしたように、答えが“Yes”か“No”の2択の疑問文は、文末を上げて発音します。
(例)
- Can you help me?⤴(手伝ってくれますか?)
- Do you speak English?⤴(英語を話しますか?)
“You speak English.”といった平叙文であっても、文末を上げて発音すると疑問文として機能するのはこの法則によるものです。
聞き返しの文章
相手が言ったことを聞き返す際も、聞き返し方にかかわらず文末を上げて発音します。
- Sorry?⤴(すみません、何て言いましたか?)
- You did what?⤴(何をしたって言いましたか?)
英語の発音ルールを覚えるための効果的な練習方法
ここまでで、英語の発音ルールを紹介しました。そこで次に、これらの発音ルールに関するルールをしっかり定着させるための効果的な発音練習方法を紹介します。
ネイティブのお手本音声をリスニング→音読する
発音ルールをある程度インプットできたら、実際にネイティブのお手本音声をリスニングしてみましょう。「音」と「意味」にフォーカスしながら丁寧に聞くことで、身をもって正しい発音を理解できるようになります。
音読をした後は、実際にお手本音声を真似するように音読してみましょう。お手本音声に近づけるように音読練習に取り組むことがポイントです。
海外ドラマを鑑賞する
ナチュラルスピードの英語に触れるには、海外ドラマの鑑賞がおすすめです。海外ドラマはセリフ量が多く、リアルな日常英会話フレーズが多く登場するため、英語の発音学習にぴったりです。
実際に生きた英語に触れることで、音声変化やアクセント、イントネーションなどに関する理解が深まります。「今、リンキングが起こった!」とか「疑問文だから文末を下げて発音していた!」など、発音に集中しながら丁寧にリスニングしていくことで、とても良い発音・リスニング練習になります。
英語学習アプリを活用する
「手軽に楽しく、かつ効果的に発音練習したい!」という方には、発音練習に特化した英語学習アプリの活用がおすすめです。アプリを活用することで、忙しい方でもスキマ時間を活用して少しずつ発音学習・練習を進めることができます。
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プロンテストシリーズ 発音特訓パック
『プロンテストシリーズ 発音特訓パック』は、発音練習とスピーキング練習ができる当社プロンテストのスピーキング練習アプリです。本アプリでは、初心者でも無理なく取り組めるレベルの日常英会話フレーズを使った会話練習を通して、「通じる発音」の習得を目指せます。
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- 1ヶ月プラン:月額2,200円(税込)
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- 12ヶ月プラン:月額880円(税込)
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まとめ
発音学習に役立つ英語の発音ルールと、発音ルールを覚えるための効果的な練習方法について解説しました。発音に関するルールや規則を学ぶことで、より効率的に少ない労力で「正しい発音」の習得を目指せます。
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