「英単語をなかなか覚えられない」とお悩みの英語学習者は少なくないでしょう。ただ、一口に「英単語を覚えられない」といっても、原因は人それぞれです。
英単語を効果的に覚えるには、まず自分が英単語を覚えられない原因を特定し、原因に合わせたアプローチをすることが大切です。そこで今回は、英単語を覚えられない原因について深掘りした後、原因別に効果的な「英単語の覚え方」を紹介します。
英単語を覚える必要性
そもそも英語の上達に、英単語を覚えることは必要なのでしょうか?
結論からお伝えすると、英単語(=語彙)は、発音および文法に並んで欠かせない英語の基礎知識の一つです。十分な英単語を覚えていなければ、当然ながら英語を聞いたり話したりすることはできません。
一般的に、日常英会話に必要な単語数は2,000〜3,000単語といわれています。現在の英語レベルや目的・ゴールにもよりますが、日常英会話レベルを目指すなら、まずは2,000〜3,000語を目安に英単語を覚えると良いでしょう。
ただし、ここでいう必要な単語数とは、あくまでも「使える単語」の数のことです。「知っている単語」と「使える単語」には大きな差があり、たとえ3,000語以上の単語を知っていたとしても使えなければ意味がありません。
まずは日常会話でよく使われる英単語から、インプットとアウトプットを繰り返して「使える単語」の知識を増やしましょう。
英単語を覚えられない原因
「英単語をなかなか覚えられない」とか「覚えてもすぐに忘れてしまう」など、英単語を覚えるのに苦戦している方は少なくないでしょう。
そこでまず、なぜ英単語を覚えられないのか、その原因を深掘りします。「自分が英単語を覚えられない原因」を突き止めましょう。
発音記号と音の作り方を知らない
英単語を覚えられない原因の一つ目は、英語の発音記号と音の作り方を知らないことです。
ネイティブスピーカーが英語を話す時、英単語というのはすべて「発音のルール」に則して発音されています。ここでいう発音のルールとは、発音記号や音声変化、抑揚、イントネーションなどのルールのことです。
発音記号をはじめとした発音ルールや正しい音の作り方を知らない状態では、英単語を覚えようとしても、「音」と「文字」「イメージ」がうまく結びつかないため、スムーズに英単語を覚えられません。
また、英単語をカタカナの音で覚えたり、語呂合わせで暗記したりしていると、文字と意味を知っていても実際に聞き取ることはできません。さらには、英単語を使って会話をしようとしても、発音が間違っているので意味が通じません。
英単語の文字と意味を知っていても、実際に自分のことばとして使いこなすことができなければ、英単語を「覚えている」とはいえないでしょう。詳しくは後述していますが、英単語を覚えるには、発音記号と音の作り方を学ぶことが不可欠です。
日本語訳とセットで覚えている
英単語を覚えられない原因の2つ目は、英単語を日本語訳とセットで覚えていることです。英単語を覚えるのに日本語訳のついた単語帳を使っているという方は少なくないでしょう。
しかし、「consequence = 結果」「recognize = 認める」といったように、日本語訳とセットで英単語を覚えるのは、好ましくありません。なぜなら、「英語 ⇔ 日本語」の一対一で覚えてしまうと、英語の音声を聞いた時に「頭の中で一度日本語に変換してから理解するクセ」が付いてしまうからです。
覚えたはずの英単語でも、一連の文章になると意味がわからなかったり、実際に使おうとすると間違った表現をしてしまったりしてしまいます。
受験対策としての英語勉強なら、この覚え方が通用するかもしれません。しかし、実際に使える英語を身につけたいのであれば、日本語訳とセットで覚える方法は実践的ではないためおすすめできません。
覚えても定着せず、忘れてしまう
英単語を「使える知識」として定着させられていないことが原因で「英単語を覚えられない」と頭を悩ませる方も少なくありません。覚えたはずの英単語を時間が経つと忘れてしまう場合、その英単語を普段から使っていないことが原因です。
人間の脳は使わない知識を「不必要」と見なし、忘れる仕組みになっています。そのため、英単語の覚え方そのものに問題がなくても、英単語をただ覚えるだけで、日々のリスニングやライティング、スピーキング学習の中で使わずにいると、どんどん忘れていってしまいます。
このような場合、忘れる前に英単語を復習したり、アウトプット学習で覚えた英単語を使ったりすることが大切です。具体的な英単語の覚え方・使い方については、次章で解説します。
原因別!英単語の正しい覚え方
続いて、上でお伝えした「英単語を覚えられない原因」別に、英単語の正しい覚え方を紹介します。
英単語の覚え方:発音記号と音の作り方を知らない方向け
まず、「発音記号と音の作り方を知らなかった」という方に向けて、正しい英単語の覚え方を紹介します。
発音記号を覚える
上述したように、英単語というのは「発音記号」に則して発音されます。英単語を正しい発音とセットで覚えるためには、まず英語の発音記号を一通り学習する必要があります。
発音記号を学んだことがない方からすると「発音記号から覚えていたら、余計に時間がかかるのでは?」と思うかもしれません。しかし、発音記号を覚えることは、英単語学習はもちろん、今後のインプット学習・アウトプット学習全般を効率良く進めるのに役立ちます。
英単語を効率良く覚えられるように、まずは発音記号から取り組みましょう。
ネイティブの発音を聞いて覚える
発音記号や音の作り方を頭に入れたら、実際にネイティブの音声を聞きながら正しい発音とセットで英単語を覚えましょう。
英単語をただ目で見て覚えていると、発音がわからないので実際の会話の中で正しく聞き取ったり口にしたりすることはできません。「ネイティブスピーカーがどのように音を作っているか」を意識して聞いた発音と、単語の意味やイメージを結びつけられるように繰り返し音声を聞くことがポイントです。
発音を意識して音読する
ネイティブの音声を聞いたら、次は音読練習に取り組みます。耳で聞いた発音をコピーするように、実際に声に出してみましょう。
発音記号およびネイティブの音声を意識して音読することで、英単語の記憶が定着しやすくなることはもちろん、英単語の発音と文字、イメージがしっかり結びつくようになります。
まずは、発音に集中できるように、練習したい発音記号を含む一つの英単語の音読から始めて、慣れてきたら文章の音読にも挑戦してみてください。
急ぎの人は発音クリニックで直接指導してもらう
プロンテストが出している学習アプリやその中の音声指導技術は、音声学をもとにしています。そのため、判定内容や指導内容にも学問的裏付けがあります。英会話スクールでは、発音記号を読めない・または読み方を知らない教員が指導している場合がほとんどです。
一方でプロンテストでは、大学の英米文学科などで指導される英語音声学に基づいて、発音記号一つ一つの読み方、調音器官(舌や歯など)の使い方を正確に指導する知見を持っています。
また、音声学はそのままだと初学者には難しいので、プロンテストは専門的な音声学の内容をわかりやすく噛み砕いて、すぐに身に着けられるような指導も行っております。
定期的に発音セミナーを開催していますので、発音に課題感を持つ方はぜひご参加ください。
英単語の覚え方:日本語訳とセットで覚えている方向け
英単語を日本語訳とセットで覚えているという方は、日本語に頼らず英語のまま英単語を覚える必要があります。英語で英単語を覚える方法について詳しくみていきましょう。
イメージと英単語を結びつけて覚える
英単語を覚える際、日本語訳と照らし合わせるのではなく、英単語のイメージと結びつけるようにして覚えることを意識しましょう。
たとえば、「sheep」という英単語を覚える場合、白くてふわふわした羊の視覚的イメージと「sheep」という英単語を結びつけるようにして覚えることが理想です。
- 良い例:「羊の視覚イメージ」⇒「sheep」
- 悪い例:「羊の視覚イメージ」⇒「羊」という日本語訳⇒「sheep」
悪い例のように、「羊」という日本語訳を挟んでしまうと、英単語を聞き取ってから理解するまでのスピードが遅くなってしまいます。
日本語訳を挟まずにイメージと英単語を結びつけて覚えるためには、「日本語訳の付いた単語帳を使わないこと」が一番簡単な対策方法です。英英辞典や英語表記のみの海外の単語帳などを手に取って、英単語を覚えるようにしましょう。
海外ドラマを字幕なしで観る
日本語訳の付いた単語帳を使わないことの他に、海外ドラマを字幕なしで視聴するのも英単語学習に最適です。というのも、海外ドラマを観ることで、ドラマのワンシーンやイメージと結びつけて英単語を覚えられるからです。
たとえば、羊が牧場を駆け回るシーンがあったとします。すると、そのドラマ内のイメージと「sheep」という英単語を結びつけて覚えることができます。
海外ドラマはセリフの量が多いので、たくさんの単語や表現が登場します。「日本語訳とセットで英単語を覚えるクセが抜けない……」「イメージと結びつけて英単語を覚えるのは苦手」などという方は、ぜひ海外ドラマを活用してみてください。
英単語の覚え方:覚えても忘れてしまう方向け
英単語を覚えても記憶がなかなか定着しない方は、覚え方だけでなく覚えた後の「復習」と「アウトプット学習」に力を入れることが大事です。ここでは、英単語の記憶を定着させるための方法を紹介します。
忘れる前に、復習する
先ほどお伝えしたように、英単語は使わずにいるとどんどん忘れていきます。英単語を覚えてから1日後、3日後、7日後、12日後……と、忘れる前に繰り返し復習して、しっかり記憶を定着させましょう。
英単語を完全に忘れる前のタイミングなら、まだ英単語の意味や使い方をうっすらと覚えている状態なので、負担をかけずサクッと復習できます。
覚えた英単語を使ってライティングする
一度覚えた英単語を忘れないようにするには、覚えた英単語を実際に使うことが欠かせません。
英単語を使う方法の一つに、ライティングがあります。具体的には、覚えた英単語を使って英作文や日記を書いてみましょう。英作文や日記を書くことのハードルが高く感じるのであれば、英単語を使って例文を2〜3個書くだけでも良いアウトプット練習になります。
たとえば、「recognize」という英単語を覚えた場合、“He is recognized as one of the smartest kids in school.(彼は学校で最も賢い子供の一人として認識されている。)といった例文をノートに書いてみましょう。
英単語を使ってライティングすることで、英単語のイメージや実際の使い方とセットで「使える知識」としてしっかり知識に定着させることができます。英作文ライティングは一人でとても気軽に取り組めるので、ぜひチャレンジしてみてください。
覚えた英単語を使ってスピーキング練習をする
英単語をアウトプットして覚える方法のもう一つは、スピーキング練習をする方法です。実際の英会話シーンを想定して、英単語を使って英語を話す練習をすることで、英単語を使える知識として自然に覚えることができます。
とはいえ、「スピーキング練習をする相手がいない……」という方は少なくないでしょう。そんな方には、スピーキング練習アプリの活用がおすすめです。
たとえば、当社プロンテストが提供する『プロンテストシリーズ』のアプリなら、アプリを練習相手に実践的なスピーキング練習に取り組めます。プロンテストシリーズのアプリは、次章で詳しく紹介しています。
英単語を覚えるのに役立つおすすめアプリ
続いて、英単語を覚えるのに役立つおすすめアプリを紹介します。こちらも「英単語を覚えられない」原因別にまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
おすすめアプリ:発音記号と音の作り方を知らない方向け
英単語を正しい発音とセットで覚えるために必要な「発音記号」と「音の作り方」を学べるアプリを2つ紹介します。
プロンテストシリーズ 発音特訓パック
『プロンテストシリーズ 発音特訓パック』は、当社プロンテストが提供するスピーキング練習アプリです。すべての発音記号をカバーしたレッスンに取り組みながら、「通じる発音」を身につけることができます。
簡単な文法を使った短い文章を用いて会話練習できるので、英語を学び始めたばかりの方でも無理なく楽しく学習に取り組めます。また、アプリが自分の発音を評価・指導してくれるため、一人でも覚え方や練習方法に迷うこともありません。
アプリは会員登録で無料お試しすることが可能です。気になった方は、公式サイトより詳細をご確認ください。
料金プラン
- 1ヶ月プラン:月額2,200円(税込)
- 6ヶ月プラン:月額1,320円(税込)
- 12ヶ月プラン:月額880円(税込)
公式サイト
LearnEnglish Sounds right
『LearnEnglish Sounds right』は、British Councilによる無料の英語発音チャートアプリです。音声と3つの単語例をワンタップで確認しながら、発音記号の正しい発音を学習することができます。
一画面に発音記号がまとまっているので、視覚的にわかりやすく手軽に英語の発音を学べます。英単語を覚えながらいつでも発音を確認できるように、スマホにインストールしておくと便利でしょう。
料金
- 無料
公式サイト
- LearnEnglish Sounds Right(iOS)
- LearnEnglish Sounds Right(Android)
おすすめアプリ:日本語訳とセットで覚えている方向け
次に、「英単語を日本語に頼って覚えてしまう」という方におすすめの英語アプリを2つ紹介します。以下の2つのアプリは、いずれも英単語を「英語」で学べる内容となっています。
OALD 9th edition
『OALD 9th edition』は、オックスフォード大学出版の英英辞典のアプリ版です。英単語の意味を調べるのには紙の辞書もおすすめですが、アプリ版はワンタップで正しい発音をチェックできるという点で優れています。
このアプリでは、英単語の意味を英語で学ぶことができます。日本語訳に頼ることなく、英語のニュアンスのまま覚えられるので、使える知識としてしっかり定着させることが可能です。
無料のオンライン辞書と比較して、最新かつ正確な発音や意味をチェックできることも魅力です。
料金
- 無料(App内課金あり)
公式サイト
- OALD 9th edition(iOS)
- OALD 9th edition(Android)
BBC Learning English
『BBC Learning English』は、イギリス放送協会が運営する英語学習サイト・アプリです。英単語やフレーズ、文法、発音など、さまざまな英語教材を無料で配信しています。
『BBC Learning English』では、英語の記事や音声コンテンツを通して実践的な英単語の知識を強化することができます。日本語訳の表示がないので、最初はすこし戸惑うかもしれませんが、日本語を介さず英語で英単語を覚えるトレーニングの場として最適です。
料金
- 無料
公式サイト
- BBC Learning English(iOS)
- BBC Learning English(Android)
おすすめアプリ:覚えても忘れてしまう方向け
英単語を覚えても、忘れてしまうという方には、覚えた英単語をアウトプットできるアプリがおすすめです。ここでは、一人で気軽にスピーキング練習に取り組めるアプリを紹介します。
プロンテストシリーズ プロンテスト・コール
『プロンテストシリーズ プロンテスト・コール』は、過去や未来のことについて話しながら、発音および英会話フレーズ、文法知識を自然に身につけられるスピーキング練習アプリです。
このアプリのメリットは、定額制で無制限に発音練習とスピーキング練習に取り組めることです。スクールのように、レッスン回数や時間帯を気にする必要なく、いつでも好きなだけ英語を話す練習ができます。
「覚えた英単語を使うチャンスがなくて困っている……」という方は、ぜひ当社のスピーキング練習アプリを活用ください。詳細や無料お試しについては、下の公式サイトよりご確認いただけます。
料金プラン
- 1ヶ月プラン:月額2,750円(税込)
- 6ヶ月プラン:月額1,650円(税込)
- 12ヶ月プラン:月額1,100円(税込)
公式サイト
まとめ
「英単語を覚えられない」とお悩みの英語学習者に向けて、原因別に英単語の覚え方を紹介しました。
英単語を覚えるには、
- 発音記号と音の作り方を学ぶこと
- 日本語訳に頼らず、英語のままイメージと結びつけて覚えること
- ライティング/スピーキング練習で、覚えた英単語を使うこと
が大切です。ぜひこれら3つのポイントを押さえて、効果的に英単語を覚えましょう。
当社プロンテストは、「通じる英語」を楽しく身につけられるスピーキング練習アプリを提供しています。英単語を覚えるのに欠かせない「発音」を習得したい方や、英単語を使って「会話練習」をしたい方は、ぜひ『プロンテストシリーズ 発音特訓パック』または『プロンテストシリーズ プロンテスト・コール』をご活用ください。