【マイケルジャクソンのBeat Itが誕生したころのアメリカ】
もう何年前のことでしょうか。
というより、何十年前のことでしょうか。
私がアメリカに住んでいたころのことです。
1983年にリリースされた「Beat It (ビート・イット)」は日本でも大変な人気となり、
アメリカにいる私のところには日本の母からカセットテープが届いたほど。
当時はまだCDというものがなかったのも驚きですね。
なかったというよりも、まだ音楽媒体の数%を占めるにとどまっていたらしいです。
そして、国際電話で母が言った一言、「マイケルジャクソンのビレビレってなあに?」
またまた余談ですが、当時は、アメリカと日本の国際電話の通話料は、たしか、
1分間で80円かそのぐらいだったように記憶しています。
インターネットはもちろん存在していませんし、
YouTubeもありません。
SNSもありません。
スマホもガラケーさえもありません。
パソコンも一般的ではありません。
英文タイプライターはようやく電動が普及。
日本語は、ワープロもまだ普及していません。
アメリカ東海岸のニュージャージー州に居住していましたが、
週に一度、フジテレビ系列で「日本語放送」があるのみでした。
英語の字幕が入りますが、朝ドラと大河ドラマを見ることができました。
当時、「おしん」と「峠の群像」でしたね。
【短い母音の[i]はあなたのネイティヴ度を10%押し上げます】
話をマイケルジャクソンのBeat It に戻しましょう。
youtubeのオフィシャルサイトのリンクを引用しますので、
聞いてみましょう。(1分09秒からスタートします)
私の母に、なぜBeat It がビレに聞こえたかというと、
長母音の[i:]と短母音の[i]は、長さだけではなく音そのものも異なるからです。
長母音の[i:]は日本語の「イ」とほぼ同じ音ですが、短母音のほうの[i]は、
日本語の「イ」と「エ」の間ぐらいの音と思っていただいてよいでしょう。
日本語の「イ」の口をしたままで「エ」という音を出してみてください。
そうすると、ちょうど「イ」と「エ」の間の発音となります。
Beat it. もそうですが、同じようにEat it. も言えますね。
この音を身につけることで、ネイティヴ度が10%上がります、というのは
とても根拠がありまして、文章の中の単語をすべて発音記号で書いたとすると、
全母音の中でこの音が一番多く登場するのです。
しかも、10%以上になります。
ということで、
実は、この音こそ、全部の母音の中で一番「使いで」がある音なのです。
This, it, is, in, his, him, などです。
【短母音の[i]を気を付けたら印象は本当に変わるの?】
それでは、次の単語や文を「イ」で発音したり、[i]で発音したりしてみてくださいね。
This is my card. ディスイズマイカード
I have been to Japan. ビーン と言っていませんか?お豆さんになりますよ。
さあ、今日から短い[i]は「イ」ではないということを認識してくださいね。
そうすると、他の音まで意識できてしまうから不思議です!