年が変わって2021年になりましたが、
今年のお正月は、いつもよりも家で過ごす時間が長く、
ニュースを見る機会も多かったのではないでしょうか。
私はいつも、ニュースは2つ、毎日録画しています。
平日16:00~のワールドニュース(アメリカABC)と、
21:00~のNHKニュースウオッチ9です。
その二つのニュースを見ていて、やはり、と確認できたことが
あります。
それは、英語を発音するとマスクがずれちゃう、ということです。
日本語を母国語として発音している私たちにとっても、確かにマスクを
つけていると話しづらいのは事実です。
でも、英語を発音して話しているときには、マスクのずれ方が違います。
少し実験してみましょうね。
マスクをしたままで、思いきりあくびをしてください。
普通は、あくびをすると、指二本分ぐらいの幅で口が開きます。
日本語を発音するには、そこまで口をあけません。
でも、英語を発音する場合は、最小でも指の幅1本分ぐらいの大きさで
口を縦にあけるのです。
「いやいや、そんなに開いてしゃべりません」、とおっしゃるかたは、
英語としては、少し開け方が足りないようですね。
とにかく、
英語を話すときには、我々があくびをするぐらいの勢いで口を開けるのに
等しいぐらい、つまり、指2本分ぐらい口を縦に開けているはずです。
もちろん、たくさん開ける音を発音するときには、の話ですが。
office, hot, Oxfordなどの単語を話すとき、です。
以上が、「アメリカ人(英語ネイティブスピーカー)がマスクが嫌いな物理的な理由」の
一つでしょう。
もう一つ、アメリカ人が英語を話すときにマスクをしたくない理由があります。
それは、相手の表情がわからないこと。
先日、やはりNHKの番組で、顔文字の研究をとりあげた画像が
ありました。
同じ笑顔でも、日本語(^_^)なのに対して、
英語のほうは : ) ⇒縦にしてみてください。
スマイルした口になりますよ。
つまり、日本人は「目」の表情で、欧米人は口元の表情で、
相手の感情を見分けるということです。
それに加えて、プロンテスト的な考え方ではもう一つあります。
相手の口元が見えないと、発音が「見えない」ということです。
英語には日本語にない音がたくさんあります。
そのうち、母音では口の開け方がとても重要なファクターになります。
横に開いているのか、縦にどのぐらい開けているのか、唇が丸まって
いるのかどうか、などです。
また子音でも、たとえば[f]と[v]の発音では上の歯を下唇に軽く当てます。
thの音[ð]と[ɵ]では舌先を上の歯の先に軽く当てます。
もしマスクの下で[v]と[b]が見分けられず、
しかもマスクをしているおかげで、ほかの発音についても、
微小な音の違いがわからなくなってしまう。
欧米人の皆さんにとっては、
英語を普段通りに発音して話すとマスクは縦にずれちゃうし、
肝心な口元の表情もわからないし、
しかも、発音もわかりにくい、
となると、やはりマスクをはずしたくなるかもしれませんね。
その点、日本語は、口パクだけでも大丈夫だし、
マスクがはずれるほど口を縦にも開けないし、
「目でものをいう」ことができるので、
マスクをしていても、コミュニケーションをとる、ということ自体に
さほど支障はないかもしれません。
逆にですが、
英語でコミュニケーションを取ろうとするときには、
これらの発音の3つが
とても大切だということです。
- 口を縦に開けて発音する。
- 口元の表情を豊かにする。
- 発音を正しく明瞭にする。
それでは、マスクをかけても「通じる英語」が話せるように、
まず、「発音」だけは「通じる音」にしていきましょう!
プロンテストは定期的に発音セミナーを開催しています。発音に課題感を持つ方はぜひご参加ください。